2009年6月8日月曜日

時々、私は・・・

私は時々、泣きたくなる。
それは新緑の深い緑の香りにふっと触れたとき。
太陽の光を受けてキラキラ光る葉の木漏れ日を見たとき。
なぜだか、ちょっとだけ込み上げてくるときがある。

空を見上げてみると、そよそよと葉が擦れ合う音がする。

景色の音。という言葉を昨日知った。
素敵な言葉だと思った。
エッセイスト三宮麻由子さんの『いのちの音が聞こえる』という本で書かれている。
視覚に障害を持つ彼女は様々な景色の中で、耳を澄ます、つまり、音から景色を味わうのだとか。

Stevie Wonderスティービー・ワンダーは大好きなアーティスト。
彼も同じようなことを言っている記事をかなり昔に読んだ記憶がある。
視覚に障害を持つ彼は、健常者と同じように映画を観に行く「映画館に行く」のだそうだ。目が見えないのに?と思う。私もそう思っていた。だが、彼はこう言っていた。
「映画を見ていると、様々な音からそこに流れている空気や風まで、まるでそこにいるように見えるんだ」と。

景色を味わう。
音を味わう。

それは、今、この季節を。
今、この「とき」を味わう。

そんなことにつながるのだと思う。

引っ越してまだ段ボールも片付かず、仕事も、電話回線ひとつとってみても、変更すらままならない。
なんだか、年寄りの母と一緒にいて、面倒(私がみてもらっている感が強いが・・・)を見て、病院に連れて行ったりしなければならず、東京にいた頃よりも、やろうと思っていることが進まない。
なんだか、もっとスピードがゆっくりになってきた感じである。

でも。鳥のさえずりを毎時、毎分聴いて、山を見て、時々近くを母と歩いていると、田舎も悪くないな、と思う。空気の匂いが心地いいと、東京に行って帰ってくるとわかるようになってきた。

私は木に話しかけられるし、大木にはいつもHugして「ありがとう」と言っている。
アリゾナ州セドナのスライドロックは自然が作り出した岩が滑り台のようになっていて、その景観はとても美しい。ふらりと一人。川のせせらぎと山を眺めながらお昼を食べていたときにたくさん呼ばれたのです。

最初は彼女に呼ばれて・・・
こっち。こっち。見て!と言われて撮った写真
そうしたら、私も!ここにいるよ~!と言ってきたので
あ~。そちらにいらっしゃいましたか。はいはい。撮りますよ~^^

すぐに、私たちも一緒に撮って~~!と3人姉弟が一斉に言ってきました。
左が弟。可愛いね。

泣ける景色ではなく。運転していて、泣けてきて。。ずっと見ていて泣いた景色。

ここはニューメキシコ州タオスへ向かう64号線沿い。
曲がって見えるのはリオグランデ川。切り立ってまるで谷。
遠くの地平線までリオグランデはくねくねと曲がりくねった景色を創り出している。

自分がなぜ、泣けてくるのか、わからない。
壮大すぎるものを目の当たりにしたからなのか。

そうではない。それは自分のたましいが言っている。
ここは故郷。懐かしくて泣いている感覚にとても近いのだ。

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