グレーの寒空が広がる今日。
同じようなグレーの空が広がるニューヨークを思い出した。
耳がちぎれるくらい寒い朝。ニットキャップをかぶってスニーカー履いてオフィスまで歩いて行く。
毎日会う顔見知りになったおじさんに「Good Morning!」耳にはUsher♪
一人なんだけど、なんだか、楽しい。
午後からの打ち合わせ前にセントラルパークまで散歩。
どこまでも歩いていけそう。そんな心から湧き上がるワクワクがあった。
ふらっと一人旅もこんな経験があったからじゃないか、と思う。
3年前の3月。ニューヨーク支店オープンに伴い2週間ほど滞在して仕事をしていた。これをきっかけに海外出張が多くなっていったし、この頃から、大きく生活が変化していったように思う。
ほんの数週間前、長く一緒にいた人と別々に暮らす答えを出したのだった。そして向かえる父の死。
寂しさをかみしめる暇もないほど、忙しすぎる仕事が私を支えてくれていたのかもしれない。
「頑張って行っておいで。お前は俺の宝だ」と言ってくれた父。
一人でやっていける、とあのニューヨークの空の下で思った。
あの日。
あの時。
時は途切れているわけじゃない。つながっている。
自分からつないで先と後。
いつもはリアリティがないけど、こうして時々リアルだった、と思い返すことが出来る。
それがリアル。
自分の過ごした『時』の記憶。
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