2008年7月27日日曜日

富士登山その2「「バンザーイ!どないしよ」


夕べはみな寝静まっていた時間に着いたからわからなかったけど、こんなに人が泊まっていたのかとびっくりするくらい、団体客もいた。山荘の3段ベッドから降りてきて荷造りする人、外へ出る人、と騒がしく朝4時に目が覚めた。

眠いけどもう明るかった。外へ出てみると下は一面厚い雲で覆われ何も見えない。薄い空色と太陽が一部分をオレンジ色にしてもうすぐ顔を見せるよ、と合図を送ってくれていた。

朝、4時50分。
ご来光。
晴れのこの日は太陽の輪が見えて、いつかの時より温かく美しい。
山荘の人が万歳三唱。全員で「バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!」
今日、この日があることに感謝し欲張らない程度に祈りを捧げる。

団体さんが出てから下山方法を山荘の人が説明してくれるというので待つ事に。
みな一緒のチームで下山して、というそのチームは孫とおばあちゃん、熟年夫婦、50代くらいの仲良し3人組、仲間と別れたあばあちゃんと私の9名だった。朝6時出発。6合目までは登山道ではなく物資を運ぶ火山灰がぼろぼろになって滑りやすい道を下りる。

京都から友達に誘われて来たというおばあさんは、ご来光の時から隣にいて「ほな、一緒に下りましょう」と言っていた。
最初から足元がおぼつかない。ずるーっと行く時に足が曲げられないのだ。ほんの少しの間は9人みな一緒だった。「ゆっくり行こう」「休憩しましょう」と言っておばあさんを待っていたのだが、そのうちに孫とおばあさん、熟年夫婦の姿は見えなくなった。

5人組に自然となって、励ましつつ、おばあさんも痛い足をだましだまし下りて行くも、6合目にも行き着かない途中でとうとう足が動けなくなってしまって、へなへなと道の真ん中に座り込んでしまった。



「あ~。どないしよ。困ってしもたわ~。動かれんへん」

座り込んだのはこれが初めてじゃなく、もう、数回目だった。
足をまっすぐに伸ばせば動けるというものの、もうその足は笑ってしまって立つ事も出来ないとわかったし、その先にあるキツイ階段は下りていけないだろうと見てわかった。
さぁ。どうしよう。どないしよ。
富士登山その3「お馬さんは遅いよ」に続く・・・

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