2008年7月27日日曜日

富士登山その3「お馬さんは遅いよ」



それまで杖を持たない右手を私が、左手を3人組の一人が、リュックをもう一人の人が持って下山していたので、二人が先に下りて救助を頼む事にした。
電話で確認すると馬しかないし、5合目まで頼みに行かないとダメだと言う。

私以外はみな団体旅行。5合目の集合時間はおばあさんが一番早くて10時。
普通なら3時間もあれば5合目まで下山出来ると山荘の人は言っていたが、6合目にも到着しないその場所で、もう、2時間経っていた。

暑い日差しの中で仲間からの連絡を待つ。ところが馬はいる場所まで来れないという。
仕方なく、今度は2人でおばあさんを肩に担ぐような格好で下りていくしかなかった。
おばあさんも休むと動けなくなるから、と本当に頑張ったと思う。

ずわずわと深くて歩きにくい一番急坂の途中、道が合流する左手からやっと男の人達が駆けつけてきてくれた。白人男性一人を入れた3人で両肩、両足を担いでくれてやっと6合目に到着。

それでも馬はやってこない。遅い。遅すぎる。
来た!と思ったら、すでに人が乗っていたりする。富士山の馬はてんてこまいの忙しさ。
おばあさんをツアーガイドさんに引き渡すまで待つ事1時間。やっと到着して一安心。
ガイドさんもおばあさんも「名前と住所を教えて下さい」と言ったけど、断った。
気持ち。それで良い。
それから5合目まで行く途中で3人組とも自然と離れて一人で5合目に到着。
「写真送るからハルちゃん連絡先、5合目に着いたら教えて」
と言われていたけど、すごい人で探せない。

はぐれたというか、元に戻った。という事か。
なんだか、密度の濃い数時間だった。
見ず知らずの5人組。動けなくなった京都のおばあさんとの思い出。
人助けをしたのか、と言えばそうかもしれないけど、人としてお手伝いが出来たこの出来事が清々しく気持ちよかった。

初めての富士登山で、この聖なる山と対話するんだ!と意気込んでいたのだが・・・
山は自分との戦いなんだな。というのが帰って来て感じたところ。

よく人生を登山に例えたりするよね。
まっすぐに登っていく人。ぐるぐると回り道をしていく人。
目指すところは、みな、一緒。
一人一人、自分のペースで登っていく。

キツイ。もうダメ。
だって、登山中って頂上が見えないんだよ。
だから、どこに向かってるのかわからないんだ。

近くにいると見えないことがたくさんあるね。
だから、立ち止まって、上を見たり、登ってきた道を確認したりが大切なんだね。

山を、自然を、大切にしよう。
そして、富士山は樹海の方にも出掛けてみたい。
きっとそちら側に精霊がいる。そんな気がして。。いつの日か。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

がんばりましたね。

またいつの日か頂上目指します?

Haru さんのコメント...

ぐりさん

はい。
また来年も行きたいです!

高山病は体調にもよるらしい。
また、同じ症状になるのかどうか。
肝試しに近いけど、試してみたいな。笑。