2008年7月14日月曜日

休む女:O'Keeffe


自宅の中庭で休む一人の女。
私の尊敬するGeorgia O'Keeffe(ジョージア・オキーフ)その人。この時のオキーフは80歳を超えているはず。
なのに、この凛とした美しさ。
シックな装いとシンプルなアクセサリーを好んだという彼女は黒い服を好んで着ていたようで、ひっつめた髪型は若い時からずっと同じ。素敵です。
ニューヨークに夫を残し、ニューメキシコ州アビキューという不毛の土地でたった一人、98歳で亡くなるまで絵を描き続けました。その強さ、絵を描く、という事に没頭した信念のようなものに惹かれます。
このアビキューの家の見学ツアーでの事。
受付の人は「あなた、一人で来たの?」と聞いて来ました。
「そうです」と答えると
「あなたはラッキーね!あなたを待っていたのね。うちのツアーは少人数でしか行かないの。さっき、団体の人を断ったのよ。でもね、あなたは一人だからちょうど行けるわ」と。

何気なく予約したモーテルの敷地内にツアーデスクがあったのも、ぴったり。
何気なく入ってみて、ちょうど1時間後のツアーに入れたのも、ぴったり。
何もかもがスムーズで、全てが私の為に整えられていて、オキーフに呼ばれたんだな。
なぜだか、そう感じました。
オキーフの家はまだ彼女がいるみたい。ひょっこり顔を出しそうです。
そのまま残された料理好きだったオキーフが名前を書いたスパイスやティーの缶たち。
部屋の一面は大きな窓からさんさんと陽が差し込む。窓枠には彼女が拾ってきた石や化石がたくさん。
寒い日は陽を浴びてあたたかくなった石を握って、冷えた手を暖め、また絵を描いたと聞きます。
その窓からの景色を見ると、つい先ほどまですっごい岩山だなぁ、とほれぼれ見惚れていた山が正面に!そう。私の泊まっていたモーテルの向かいの山の上に彼女の家はあったのです。
同じ山を見ていたんだな。この事が感動でした。
日本では彼女の事を知る人は少ないけれど、サンタフェと言えばジョージア・オキーフ、というくらいアメリカでは名前の知れた画家です。
孤高の画家。そう呼ばれる事もあるオキーフ。
彼女の描く絵は、牛の頭蓋骨をモチーフとしたものが有名ですが、見て、温かい「なにか」感じるのは私だけではないはず。機会があれば是非訪れて欲しい、アビキュー村と彼女の家。
日本では見られない景色を見ながらのドライブも素晴らしいですよ。
ハウス&スタジオツアーは毎年3~11月まで。

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